クリスマス礼拝での秘かな出来事

 クリスマス礼拝で、使信を語っている真っ最中のことです。いよいよお話しも佳境に入るというその時に、ピンポンというチャイムの音が牧師館の方から聞こえました。反射的に体が動きそうになりました。「今、クリスマス礼拝のしかも説教の真っ最中何ですから、出られません」と心の中で叫びながら、それでも、ピンポン、ピンポンと鳴り続けます。きっと礼拝に参加されている皆様はつゆほども気がつかなかったことでしょう。誰か気がついてくれないだろうか、いや、この位置では無理であろう…一番、チャイムの音が聞こえる位置にいるのは、使信者である私です。すると礼拝堂横の教会の事務室のドアをたたく音がして、「すいませーん、宅急便です。」との声が2,3度ありました。「お願いです。今日はよりにもよってクリスマス礼拝なんです。集中して話をさせてください」と心の中で叫びながら、話を続けていました。またも、牧師館の方で、ピンポン、ピンポンとチャイムを鳴らす音。多分、宅急便の方は、何か物音はするし、人がいるはずなのに、なぜ出てくれないのだろう、と思っていたことでしょう。礼拝の真っ最中にいる牧師が心の中で、そのような戦いをしているとは、つゆ知らずに。その方が去って静かになった後、多分、ストレスからでしょう、きーんと耳鳴りがしましたが、なんとか持ち直して最後まで、話を続けました。今思い出すと笑い話ですが、その時は必死でした。礼拝、愛餐会が終わって牧師館へ戻ると、不在表は入っていず、いったいあの宅急便は何だったのだろう、ときつねにつままれたような気になりました。きっとこの間、クリスマスの様々な行事を忙しい中こなす皆様の中にも、人知れずこんな笑い話が生まれていたかもしれませんね。

【4本のろうそくがすべて灯ったクリスマス礼拝でのアドヴェント・クランツ】