こども夏期キャンプーみんなで祈ろう③

キャンプ二日目。朝の祈りを石坂さんが担当。それから皆で朝食。石坂さんが焼いた食パンとサラダ、ゆで卵。みんなきれいにいただきました。部屋の片づけを大体おえて、「みんなで祈ろう」のプログラムⅡ。みんなでもう一回、静かに姿勢を正して沈黙のうちに坐ってみました。今度は5分と思ったけれど、女の子たちのクスクス笑いが始まって3分で終了。今の世の中で、沈黙することの豊かさをどれだけの人が感じているでしょうか。いつか子どもたちもちゃんと知る時が来ると思います。今、ここに在ることを単純に喜ぶことが、本当の幸せだということを。いえ、こどもたちはすでにわかっているのです。でも、学校の成績や人と比べられる競争を通じて、そのことがわからなくなってしまう時がある。そんな時この体験を、安心と安らぎをこどもたちが思い出してくれるように、と祈りつつ前半を終えました。後半は、「祈りのぶどうの実」をみんなで作りました。三角の紙に、丸く切ったぶどうの実に見立てた紫の紙を張ってゆきます。そしてぶどうの葉っぱは、緑の紙に自分でデザインをし、切り抜いてもらい、そこに「聖フランチェスコの平和の祈り」の一節を、それぞれに書いてもらいました。そして、白い紙には、神様への願い事を一つかいてもらいました。1時間位の作業だったでしょうか。これは結構みんな集中してやりました。具体的なものがあるとやはり違うなあ、と思いました。

【町田リス園のリス】
農伝を出発してからは、「町田りす園」を見学。可愛いリスやうさぎ、カブトムシ、亀等、こどもたちは大喜びでした。お昼をいただいて、お隣の薬師池公園の大賀ハス(古代ハス)の群生を見学しました。お昼過ぎには龍野さんもお迎えに来ていただき合流。3時に教会に到着。そして閉会礼拝をしました。ここで、さっき作った祈りのぶどうの実をそれぞれが持ち寄って、「平和の祈り」を読み上げる中、「祈りのぶどうの木」に張ってゆきました。ひとつひとつのぶどうの実が、紙に書いた木に張られてゆくたびに、豊かになって行きます。最後にそれが完成した時の達成感。こどもたちにとってキャンプのひとつの成果が見えてよかったと思いました。



迎えに来たお母さんたちとすいかを一緒に食べて解散。
5歳の男の子は本当によくがんばりました。
協力して下さった皆様に本当に感謝です!


こども夏期キャンプーみんなで祈ろう②


【バーべーキュー。皆で切った野菜。一番人気はウインナー。みんなおいしく頂きました】

 キャンプの午後は、みんなで農伝の探検。学生や近所の幼稚園に貸し出している畑を見ました。さといも、かぼちゃ、きゅうり、トマト、とうもろこし、じゃがいも、バジル、等々、様々な野菜を作っていました。農伝の寮長に畑を案内してもらい「バジルはいくらでも生えてくるから、採ってもいいですよ」と言われ、早速摘んでみました。よい香りです。こどもたちにも、翌日おみやげにTさんが包んでくれました。こどもたちと農伝の道を散策すると、オレンジ色のきのこや、こぶのついたイチョウの木、セミやカマキリ、バッタなど発見の連続です。男の子たちは、虫取り網とかごをもって虫取りに夢中。女の子たちは固まっておしゃべりに夢中。ぐるっと回って寮の入り口まで戻ると、男のたちはハチの巣を発見。「危ないからハチの巣にはちかづかないでね」と注意しましたが、後から「ハチの巣をゆすって、ハチをみんなで追い出したんだよ」と報告にくる男の子が。大人がやってはいけないということをあえてやってしまうのが子どもなんだな、とため息。こういう冒険がこどもたちを成長させるとわかっていても、何か事故があったらと心配で、親御さんたちの気持ちが少しわかりました。
 夕方はバーべキュー。皆で野菜切りをしました。昨年、玉ねぎを切りながら涙を流していた男の子たち。「もう玉ねぎ切りはやらない。こんなのは女にやらせる」と女性差別発言が飛びたしたのにはびっくりしましたが、その男の子たちが今年は進んで玉ねぎ切りをやる、と言ってくれてとても嬉しかったです。一年の進歩を感じました。こどもは成長してゆくものですね。だからこそ、大人は良い種をまかなければ、と思わされました。炭おこしがなかなかうまくゆかなくて、苦労しましたが、焼き上がった野菜やお肉は最高においしかったです。豚肉と鶏肉と1キロづつ用意しましたがすべてなくなりました。山の中の澄んだ空気の中でゆったりと暮れてゆく時を楽しみながらのバーベキューは最高でした。終わっての花火大会。Aさんの差し入れです。「私もこどものキャンプが楽しかったから」と。子どもたちは花火を心ゆくまで楽しみました。終わってキャンドル・サービスを研修棟で。切った竹の中に水を入れそこにキャンドルを浮かべます。電気を消すと「きれーい!」と声があがりました。そしてスタッフのIさんのお祈りのお話。暗闇の中、温かい優しい声がこどもたちの心身に沁み入ってゆくようでした。

【竹のキャンドル。水の上にキャンドルを浮かべています。幻想的な美しさです。】

こども夏期キャンプーみんなで祈ろう ①

【農村伝道神学校敷地内で見つけたいちょうの実】

 毎年この時期に開いている夏期キャンプですが、今年は近場の農村伝道神学校をお借りして行いました。5歳から10歳までの男の子4名、女の子3名の参加でした。車で30分もかからないところですが、山の中で気持ちの良い場所。民家がないので遠慮なく子供達も遊ぶことができました。
 さて、曇りがちの天気の中出発。農伝に着くころには晴れ間が出て、嬉しくて、林のグリーン・チャペルで開会礼拝を始めたのはいいのですが、あっという間にヤブ蚊がやってきて、礼拝の間みんなそわそわ。子どもたちはまったく集中できていませんでした。私も自分の足に食われた跡を数えたら、両足合わせて60か所ほど。これでは子どもたちも集中できなかったはずでした。蚊取り線香をつける、虫さされスプレーをするのをすっかり忘れていたのです。
 気を取り直して研修棟へ。「みんなで祈ろう」のプログラム。5歳から10歳までの子供が飽きずについてこれるプログラムを考え「からだで祈ろう」としました。5歳のこどもに聖書の言葉を説明しても無理なので、とにかくリラックスして安心することを体験する、自分の体を感じてもらうというところから始めました。歌とゲームで自分のからだをほぐして、「きゅううりもみ」でお互いのからだをほぐすことをしました。そして3分だけ姿勢を正して沈黙の内に坐ることを体験しました。「お祈りをすることは、内へ内へ集中することだよ。それから、また内側から神様へ向かって出てゆくことだよ」と話しました。そして「お祈りは神様との対話だよ。そして人と人をつなぐものだよ」と。それを3分間だけ体験してもらうことをしたのです。やっぱり3分もすると、こどもたちはそわそわ。でも、いいんです。このリーンとした感じが、からだのどこかに残ってくれれば。いつか大人になって思いだす時が来れば。