No.158<被災地の現在―佐藤真史牧師の集中講義を聞いて>

  先週の火曜日、水曜日の午後、農村伝道神学校で開かれた集中講義「3・11を生きるキリスト教」に行ってきました。佐藤真史牧師(11月に按手礼を受けて牧師になられたそうです。おめでとうございます!)は、2013年の夏期集会にも講師としてきてくれ、被災地の現状を話してくれたので、記憶に新しい方も多い方も多いと思います。現在は、初期の緊急支援(援助物資の提供、瓦礫撤去作業、家の泥かき等々)から、中長期支援(仮設住宅に住む人々への支援、農家の自立のための支援、こども広場等)に内容が変わってきており、その困難さも様々に出てきていることを語られました。 特に、震災から年月が立つにつれて、人々から忘れられ、孤立化してしまう人々が出てきている。仮設住宅の中で、また引っ越しをした復興住宅の中で。それゆえ人々を「孤独死」をさせない、ということを現在は大きな目標として掲げているそうです。 エマオが支援活動の初期の頃から、非常に丁寧に人と人をつなぐ仕事をしていること、効率よりも、人とのつながり、出会いを大切にする「スローワーク」の原則で活動を続けてきたことに、改めて感銘を受けました。その中で、地域の人たちとボランテイアとの信頼が育ち、震災でばらばらになった家族、大人、こどもが再びつながり、被災者の御苦労に寄り添うことによって、若者が育っていっています。しかしこれは数値化したり、結果が明らかに見えるものではなく、伝わりにくいことなので、現地を知らない人たちとのギャップを覚えることも多々あるそうで、伝える努力をしてゆきたいと真史さんは、語っていました。
 東北教区では、仮設住宅に最後の人がいなくなるまでエマオの活動は存続させる、と決定したということ。この意義は大きいと真史さんも話していました。まぶねにつながる若い牧師のひたむきな活動から、また多くのことを学ばされました。