出会いの場としての教会ーアジア学院(ARI)の二人をお迎えして

9月29日の礼拝は、アジア学院(略してARI)よりHさんと通訳のMさんをお迎えしての懇談礼拝でした。ARIは、有機農業で農村を指導するリーダーを、アジア、アフリカから研修生を迎えて育てている学校で、すでに50年以上の歴史があります。毎年この時期にARIの研修生をお迎えして、その国の文化や歴史、研修生の母国での活動の話を聞くことができ、教会とは世界につながる出会いの場所であることを実感する時です。前の晩、28日(土)に二人は到着。チャーミングな笑顔のお二人に、迎えるわたしたちもすっかり魅了されてしまいました。一品持ち寄りの夕食会は、栗ご飯、鱈の野菜あんかけ、おでん、鶏手羽の煮物、カボチャサラダなどなど、豊かな食卓にお二人もとても感激していました。終わって、少し強引に近くの栗平温泉に案内。日本滞在18年のミミさんは、大丈夫でしたが、ヒルダさんは温泉はまったく初めて。最初はとても恥ずかしかったみたいでしたけれど、温泉がとても気持ちよかったようで「これでわたしも日本人になれました」と笑顔で語ってくれました。Hさんは、使信ではご自分がどのようにキリスト者として育ってきたのか、を話されました.クリスチャン・ホームで育ち、キリスト教があたりまえのように身近にあったHさんが、本当に意味でイエスに出会ったのは12歳の時だったといいます。それまで何気なく読み過ごしていた聖書の言葉が、まさにこのわたしに語られると感じるようになったのだそうです。それから自分の人生は変わった、と言う話をかなり詳しく話されました。しかし、彼女のその話は、カメルーンが現在直面している大きな苦難―多数派(フランス語圏)と少数派(英語圏)の対立と抗争という文脈の中で聞くと、まったく違った光で照らされてきます。「本当はこの話はあまりしたくないのです」とHさんが質問に答えて、明るい顔を曇らせて話してくれた、具体的な紛争の話は、非常に過酷なものでした。礼拝堂はしーんと静まりかえりました。命の危険にさらされながら、なお、信仰をよりどころにして歩んでいる彼女の姿。ARIで学んだ有機農業で、環境を破壊せず、栄養豊かな食べ物を人々と分かち合う、そのようなリーダーになりたいと希望を語ってくださいました。どんな過酷な状況にあっても、希望を見いだして前に進んでゆくキリストの弟子がここに確かにいると、本当に励まされた時でした。(石井智恵美)