まぶね日誌「美しい実りーセボノ・ラコーさんを迎えて」


まぶね日誌 No.170<美しい実りーセボノ・ラコーさんを迎えて>  石井智恵美

 2010年の秋から5年間奨学金を支給してきたセボノさんが、神学校を卒業して2年。ついにセボノさんに会える日がやってきました。インド・ナガランド州よりの来日。日本までは片道2日かかるそうです。叔母であるアチボさんが、まぶね教会の皆さんにお礼を言うために、ちゃんと貯金をしておきなさい、とのアドヴァイスがあったと聞きました。もともとは、アジア学院からアチボさんが来られ、まぶね教会でメッセージを語ってくださったことが始まりでした。貧しい中でも精いっぱいのことをして後は神様にお任せするというナガランドの人々の信仰の姿に感動し、また、アチボさんが5人の甥御さん姪御さんの学費を担っていると聞き、そのうちに一人でも私たちで支援できないか、と思ったことがきっかけでした。役員会で相談をして、高齢化しているメンバーを考えると5年間続けられるかどうかという不安もありましたが、やってみようということになりました。T・K さんが連絡役を引き受けてくださり、教会での募金の呼びかけ、アチボさんとアジア学院との連絡、銀行での国際送金などの事務を担ってくださいました。セボノさんがマラリアで倒れた時や、手を骨折して勉強を中断した時、どうなることかはらはらしたこともありました。しかし、5年間の神学校生活に少しも遅れることなく一番の成績で卒業されました。卒業式には是非参加したいと思っていましたが予定があわず、また、昨年アジア学院でインド・ナガランド州への研修旅行のお誘いを受けた時も、2週間日曜日を開けることはできずにあきらめました。今回、セボノさんが来日してくださったこと、本当に嬉しく感謝でいっぱいです。セボノさん自身も、自分がくじけそうになった時には、叔母であるアチボさんが送ってくれたランチを作っているまぶね教会の女性たちの写真を見て、この方たちがこうして働いて私のために奨学金を捻出してくれていると、心を奮い立たせていたそうです。懇談礼拝や歓迎昼食会でのセボノさんの堂々とした話しぶりに、少しづつ成長されていった彼女の軌跡を見るようで、誇らしくもあり、心からよかった、と思えました。小さな真心が集まって、継続して続けることでセボノさんという実りを、まじかで見ることができました、そして、セボノさんがまた若い人々を育てて種をまいてゆくことでしょう。神様のなさる業は本当に不思議です。国境を越えて人を育てることほど平和に貢献することはない、と思わされたひと時でした。支援をくださった皆様に心より感謝します。