<夏期集会報告ースローワークー寄り添いはゆっくり進む>

 今年の夏期集会のテーマは「スローワークー寄り添いはゆっくり進む」として、東北教区被災者支援センター「エマオ」の専従者であるM.Sさんを講師にお招きしました。M.Sさんはまぶね教会の元会員で、神学生として御奉仕を戴いた方ですので、この機会を皆さん心待ちにしていたと思います。全体で31名の参加でした。午前中の講演では、まず20分の動画を見て、ボランテイアやスタッフ、被災者の生の声を聞き、具体的な活動とその想いを聴くことができました。震災初期は、全国から集まった支援物資を配ったり、津波で流されて来た瓦礫の撤去、「泥かき」などの緊急支援に力がと注がれました。しかし、今は、中長期的な支援の時期になっていて、傾聴等の心のケアが必要とされていますが、ボランテイアが集まりにくくなっている、といいます。震災初期は、だまっていても人が集まったが、今は、いかにこちらから情報発信をしてゆくかが問われていると、M.Sさんは語っていました。被災地のことが報道されることも少なくなり、多くの支援団体が縮小・撤退してゆく中で、自分多たちは忘れられているのではないか、と孤独な思いを深める被災者が増えている、と言います。しかし、何よりも印象に残ったのは、避難所で出会ったSさんという方によって、現在、エマオが拠点にしている七郷・笹屋敷の地域に、ボランテイアを受け入れてもらうことができ、エマオの活動が軌道に乗って行ったということです。JOCS派遣のN医師が、地域のリーダーであるSさんに「若者を育ててくれませんか、希望を育ててくれませんか」と依頼し、それが心に響いたSさんが動いてくれたからです。「スローワーク」と「お祈り」を大切にするというエマオの基本方針は、取りも直さず自分と他者という人間を大切するということ、また人間を超えた大きな力の中で生きていることを自覚するということではなでしょうか。自分と他者と神(自然)。この交わりの調和の中で私達も生かされています。

 当日の献金は、「エマオ」と毎年献金をしている「道北センター」へ捧げられました。また、終わっての懇親会には19名の参加。M.Sさんを囲んで楽しい時をすごしました。

【東北教区被災者支援センター「エマオ」の2年間の活動報告。読み応えがあります。1冊200円。残部在り】