3・11の原発事故の後、日本のエネルギー政策は転換を迫られています。そして、福島の人達は、東京電力の電気を1kwも使っていないのに、その甚大な被害を受けたのです。これは本当におかしいことです。利益を受ける側と、リスクを受ける側が一致していない。リスクを福島に押し付けて、利益だけを受けている東京電力の電気を使っている私達が、ライフ・スタイルを見直さなければ、この構造は一向に変わらない、と思ってきました。なんとか少しでも電気に頼らない生活をしたい、と思いつつ、なかなか実現は難しい、というのが実情でした。そのどんぴしゃりのテーマで話をするというので、行ってきました。はらみずほ著『できた!電気代月600円生活』(北海道新聞社、2013)の著者のお話です。三軒茶屋のカフェで開かれました。
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【カフェオハナのプレートです。オーガニック・ベジタブル食です。おふを使った揚げ物が絶品でした】 |
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【左:パートナーの坂山さん、右:はらみずほさん。ちょっと照れてますね・・・掛け合い漫才みたいでした】
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まず、電気代の明細書を持ち寄って、その情報を共有するところから話が始まりました。うちは二人家族20Aで3月は4,700円の電気代。一人の青年は、20Aで1480円とかなりがんばっていました。それから、自分の家にある家電を、リストアップして見ました。冷蔵庫、洗濯機、炊飯器、電子レンジ、PC,テレビ、携帯電話、掃除機、照明、オ―デイオ機器等々…。はらさんは、その家電一つ一つの使用電気量を教えてくれて、ざっと自分の家の電気量を概算してみました。うーん、やっぱりかなり使っている。ちなみに、はらさんの家は、二人家族5A、先月は電気代200円台までに落とせたとのこと。彼女は、まず、電子レンジ、炊飯器をやめて、すべてお鍋と火で料理することにしたそうです。電子レンジは1000Wかかります。それからテレビ(600-1300W)をやめたそうです。情報は、ほぼ、インターネットや、生のコミュニケーションで得る。すると自分の時間、読書の時間が増え、人とのつながりも豊かになっていった、と言います。そして、冷蔵庫をやめて、保存食、天日干しをたくさん作るようになった、と言います。云わく「電気使わないと、手と脳ミソをいっぱい使うのでボケません」
この電気に頼らない生活を始める原点は、はらさんが60カ国を6年半かけて回った世界旅行にあるそうです。日本でのライフ・スタイルがすべてではない、ということを、身にしみて体験したこと。また、資源の奪い合いが悲惨な戦争につながっている現実。簡素な生活をすることは、平和につながる、ということを知ったこと。こういうチャレンジを、おつれあいと共にしているはらさんは、きらきら輝いていました。若い世代に是非聞いて実践してほしいお話しでした。簡素な生活を続けることが、資源を奪わず、他者を犠牲にせず、平和に直結すると思うと、力が湧いてくる気がしませんか?新時代を拓くヒントは、こんなところにありそうです。